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中国の国営通信社、ゲームが未成年者に及ぼす影響について言及した記事を掲載

8月3日、中国の国営通信社「新華通訊社」の運営している「経済参考報」は、「ソーシャルゲーム産業は数千億規模の産業に成長」というタイトルの記事を掲載した。記事によると、現在未成年者のインターネット依存現象は蔓延しており、ソーシャルゲームが未成年者の健全南成長に与える影響は軽視できないと指摘している。

データによると、中国の未成年ネットユーザーの62.5%がソーシャルゲームをよくプレイしており、未成年モバイルゲームユーザーの13.2%が授業日に1日2時間以上スマホゲームをプレイしているとの事。このような状況の中、2020年には半数以上の児童・青少年が近視になっていて、ゲームへの依存により学業に支障をきたし、性格の変化をもたらした現象が増えている。

記事では、ゲームの弊害が社会的に認識されつつある一方で、ゲーム業界が躍進し、巨大な産業に成長している事に言及している。2020年、中国ゲーム市場の実際売上高は2786億8700万元で、前年同期比20.71%増となった。業界の半分を占めている「テンセント」は、2020年に1561億元の営業収入を達成している。

ゲーム産業の飛躍的な発展に伴い、未成年者にとって魅力的なゲームが増え、ソーシャルゲームへの依存を防ぐ事が難しくなっている。また、ゲームに触れた子供が日常的に暴力をふるったり、母親の頬を包丁で切ったり、最後には祖父母の家に火をつけたりするなど、ゲームが現実の生活に深刻な影響を与えている事例もいくつか記事にて挙げられている。

記事では、政府の指導やさらに強制的な手段によって、ゲーム企業の社会的責任を強化すべきだと結論づけている。それと、ソーシャルゲームでは年齢認証をさらに強化し、内容の審査もより厳格に行うべきであると記事で言及した。記者の調査によると、ゲーム開発の費用はコストの10%しか占めておらず、宣伝の費用が60%を占めている事が分かった。そのため、宣伝プラットフォームに対しても規制を強化すべきという。関係者からは、「処罰の度合いも合わせるべき」という意見が出た。

この中央メディアの記事では、「テンセントゲームズ」とテンセントのゲーム『王者栄耀』が何度も名前を揚げられ、批判されている。この前のとある事例で、ゲームに課金しようとする時に家族に断られて暴力をふるった子供は、「テンセント」のゲームに触れてからこのような行為をしたという事を理由に、両親は2021年4月に「テンセントゲームズ」を相手に裁判を起こしていた。

2015年に「テンセントゲームズ」からリリースされた『王者栄耀』は、2020年には1日の平均アクティブユーザー数が1億人を誇り、中国のスマホゲームの売上高ランキングのトップを占めている。プレイする時に時間と場所を選ばない、簡単な操作で沢山の友達と一緒に遊べるといったゲームとしての優れた点によって、『王者栄耀』は爆発的な人気を博した。

『王者栄耀』は現在、学生に最も人気のあるソーシャルゲームとなっており、調査に参加した学生の47.59%が『王者栄耀』を定期的に遊んでいて、一日に8時間もプレイした学生も居たという。

四川省瀘州市の小学五年生である張さんは、クラスの55人の生徒のうち、彼を含めて10人以上が『王者栄耀』を遊んでいると語った。彼は週に2、3回プレイしており、将来はプロのeスポーツ選手になりたいという夢を持っている。

統計によると、記事の中で『王者栄耀』については7回、「テンセントゲームズ」については8回言及している。この記事を原因に、8月2日に「テンセント」の株価は大幅に下落していた。

「テンセント」以外に、「ネットイース」、「心動網絡」、「中手遊」、「創夢天地」、「三七互娯」、「パーフェクトワールド」、「順網科技」等のゲーム会社の株価も下落した。

中央メディアに掲載された1つの記事がゲーム業界にこれほど大きな影響をもたらし、多くのゲーム会社に警鐘を鳴らした。企業は単に利益を追求するのではなく、社会的責任感を高め、未成年者の依存症対策を充実させ、プラットフォームの審査を改善して、未成年者の視野に入る悪い情報を減らすべきである。

しかし、企業に目を向ける一方で、記事に掲載されている内容についても考える必要がある。

ソーシャルゲームで一般的に採用されている未成年者の依存を防止するためのシステムは、子供達にはまだ欠陥がある事がわかり、審査をうまく避けてゲームをプレイする事が可能となっている。

またインタビューを受けた学生の中には、親のアカウントや身分証を借りてゲームに登録・ログインする事で、様々な審査を回避するしている生徒も居る。学生の間で、これは一般的なやり方になっているという。

関連の法律や依存症対策は常に改善されているが、上記のような行為は、果たしてゲームのせいにすればいいでしょうか。子供の健全な成長には、親の付添いと導きが欠かせない。ゲームがなくても、未成年者を惹きつけ、誘惑するものは他にもあるのだから、全ての原因はゲームにあるという親の考え方も、間違っているかもしれない。

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