翻訳はただの伝言ではない。とりわけゲームシナリオ翻訳の場合はそう間違いない!そして、ありていに言えば国際日本語は使い物にはならないのだ。教科書通りに、数年間にわたって頑張って学んでいても、心礎的なところに辿り着けないのが常だ。上達を極めるためには、本物の日本語で書いた原書を読むしかないと思う。
さて、今回のオススメ内容は全体的に、屋外、通路、扉、部屋、宝箱という5つの種類に分けられ、冒険者一行の探索順に、罠設計のノーハウを紹介してくれる。述べ方として、二人の悪役が陰で、無謀な冒険者の話を聞いて、絶対に破れないトラップを考案するという本筋に、各冒険者の遭遇についてのエピソードが綴られる。物語風に記述してあるのは、想定読者にシナリオライターも含まれているためだろう。
最後に翻訳者の立場から愚見を言わせていただこう。この本に書かれた文章こそ、私が考える本物の日本語だ。ゲームシナリオにふさわしい文脈もさることながら、表現の豊かさが異彩を放っている。罠の仕組みに興味を持って、一人前のゲームシナリオ翻訳者になりたい方なら、確かに一読の価値がある。
それではまた次回!
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