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『ウマ娘』は中国でリリース!一走り、しませんか?

3月29日夜、「Cygames」が開催したライブイベントで、自社開発のゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』の簡体字版(中国大陸版)がリリースを予定していると公式から発表された。また30日の朝には、公式のTwitterアカウントは本ゲームが400万ダウンロードを突破したことを発表した。

ゲーマーとしては、競馬文化には馴染みがないかもしれないが、最近話題になっている『ウマ娘』という名前を耳にした事があると思う。このゲームは2月24日のリリース日からiOSの無料アプリランキングで1位に上り詰め、iOSのベストセラーランキングでTOP3にランクインした。その後、僅か1日でトップの座を奪った。

「七麦数据」によると、この勢いは衰える気配がなく、リリースからの1ヶ月間に上位を占め、TOP3から落ちる事は一度もなかった。

本ゲームは、プレイヤー達に大ヒットしているだけでなく、売上面の数字も凄まじい。日本のゲーム資料データサイト「Game.i」の非公式統計によると、『ウマ娘』のリリース後の推定売上高は141.2億日本円(約8.38億人民元)を超えており、現在日本で最も売上が好調なスマホゲームとなっている。

また、Sensor Towerのストア情報データによると、本ゲームはリリース後の初月から1.3億ドル(約140億日本円)の売上を記録し、日本市場で大ヒットした『原神』は1.22億ドルの売上で2位にとどまった。『ウマ娘 プリティーダービー』は日本国内のみの売上に対して、『原神』は全世界での売上となっている。もし『ウマ娘』が他の国や地域でリリースされたら、その差はさらに広がる事になるでしょう。

『原神』は中国のゲームメーカーが日本のゲームメーカーに一泡吹かせたものだとしたら、『ウマ娘 プリティーダービー』は日本のゲームメーカーが中国のスマホゲーム業界に深い教訓を与えたとも言えるでしょう。

日本市場を席巻する『ウマ娘 プリティーダービー』はCygamesが自社開発した二次元の競走馬を擬人化したアイドル育成ゲームで、プレイヤーはトレーナーとして個性豊かなウマ娘達と共に優勝を目指すのがゲームの内容。ゲームシステムは『アイドルマスター シャイニーカラーズ』と『実況パワフルプロ野球』をある程度参考にしており、ローグライクの要素を取り入ったおかげで、プレイの過程はランダム性に満ちており、種馬の継承やスキルの組み合わせもかなり奥深い内容となっている。

ゲームのレースはリアルの競馬をモデルにしており、ハイクオリティの3Dモデリングのキャラクターが、リアリティのあるカメラの移動や切替に伴い、そして実況解説や観客の歓声を加え、プレイヤーの血を騒がせる内容となっている。

日常の育成とレースに加え、ウマ娘達はアイドルとしてライブを開く事もできる。各レースが終了した後、プレイヤーはウマ娘達のウイニングライブを見る事ができる。彼女たちのステータスを強化し、スキルを駆使してレースに勝てば、センターとしてライブに出演する事ができる。

このように、『ウマ娘 プリティーダービー』は擬人化、育成、アイドル、競馬、カードなどの色んな人気要素を詰め込まれて出来たゲームで、このようなゲームはなぜ突然流行ったのか?

実は2016年のAnimeJanpanが開催された時から、Cygamesは新規IPである「ウマ娘」シリーズの本格稼働開始を発表し、同時に音楽、ゲーム、コミック、アニメの企画を並行して進める事になっている。

二次元のスマホゲームにとって、IPの価値は非常に重要である。日本のスマホゲーム市場の競合が日増しに激化している中、Cygamesは自社だけで新しいIP作品を創造し、自分だけの「メディアミックスコンテンツ」を創り上げるという厳しい道を選んだ。『ウマ娘』のアニメは2018年に放送が始まってから、優れたクオリティと競馬を題材にしたユニークな内容、巧みな歴史の再現などで、瞬く間に多数の新規ファンを取り込んだ。

『ウマ娘』のアニメは日本で人気を博しただけでなく、中国のユーザーも同様に馴染みのない題材に興味を持っている。「ビリビリ動画」で放送された際には、『ウマ娘』は1144.3万回の再生回数と9.7の高い点数を記録した。また、2021年1月4日から放送されたセカンドシーズンは、557.5万回の再生回数と9.9の点数を記録し、中国市場における『ウマ娘』IPのファン層の獲得の基盤を築いた。

アニメが築いた基盤の他に、日本では競馬の文化自体も盛んでいる。日本人は馬に対する愛情が、溺愛のレベルに達している。競馬場は幼い頃の日本人にとっては、遊園地みたいな場所でした。有名な「ジャパンカップ」の他にも、天皇賞、桜花賞、菊花賞、秋華賞、高宮松記念、安田記念、中山大障害など、日本における重要な大会ばかりで、これらは日本の競馬文化を更に発展させた。

 

このような背景から、『ウマ娘』のキャラクターは、全て実在する名馬をモチーフにしている。Cygamesが競走馬達に対する、モチーフとなった馬を出来るだけ再現する制作方針と尊敬の念は、ファンから好感を持たれた。そしてストーリーの流れをある程度変える事で、ファンの心に残る痛みを巧みに癒した。

例えば、アニメの第1期に登場した「サイレンススズカ」。1998年の天皇賞のレースで、先頭を走っていたサイレンススズカが骨折してしまい、ゴール直前に優勝を逃した。レース後、悔しがるサイレンススズカは復帰しようとしたが、怪我の具合が馬にとってはあまりにもひどく、結局安楽死させられ、多くの人の心に痛みを残した。

しかしアニメやゲームでは、サイレンススズカは最終的に主人公のそばを離れたものの、死ぬこと無く新ステージで走り続けている。ファンからも、現実の残念さを補ってくれた制作陣の優しさに感謝の声が寄せられている。

ゲーム版の「ウマ娘」も2016年にプロジェクトを立ち上げ、2018年3月に予約を開始し、最終的には2021年2月24日に正式にリリースされた。アニメが終了してもゲームがまだリリースされていない局面になった理由は、プロデューサーが離職した事に加え、数々の名馬をモチーフにしたウマ娘達を出演させるには馬主の同意を得る必要がある事、そしてゲームのクオリティを細部まで監修しなければならない等の理由で、5年も長引いた。

このゲームはプロジェクトが立ち上がった当初から、コンシューマーゲームの標準で開発された二次元スマホゲームでした。日本のゲーム市場はすでに成熟しており、製品を際立たせるためには高いクオリティが必須の条件である。そのために、Cygamesはゲームの開発に多額の資金と機材を投入した。ゲーム内のウマ娘達のウイニングライブはリアルタイムモーションキャプチャ技術を採用しており、より一層リアルに見えるのは当たり前の事だ。

ゲームが爆発的にヒットしたのは、モチーフの再現と高い制作水準に加え、プレイヤーの感情を掘り起こして共感を得たからだ。

例えば、人々に愛される小柄で可愛い馬「ハルウララ」。現実のウララは名家の出身で、身体が小さくて臆病なところはあるが、それでも馬主は期待をかけていて、可愛いピンクのハローキティのメンコを縫ってあげた。

しかし、ウララのデビュー戦の成績は最下位で、このような連敗が続いていた。だけど、何十回も負け続けても、必ず次のレースで元気いっぱいに走るのはウララだ。この不撓不屈の精神は、日本の人々に元気と勇気を与えた。一度も勝ったことのないその姿は、バブル経済の中で不安になっていた自分自身を彷彿とさせた。だから、勝てないと分かっていながらも、ウララの馬券を買ってくれた。

ゲームも現実を尊重している。ウララの育成目標はとても簡単で、最後は有馬記念に出走するだけでいいという非常にシンプルなものだった。「有馬記念」は芝2500メートルの長距離コースで、短距離を得意とし、芝の適性がないウララにとってはまさに悪夢のような負けイベントで、普通のプレイ方法では必ず最下位になってしまう。

だけど、現実のウララは決して諦めた事が一度も無いし、プレイヤーも当然そう簡単には諦めない。色んな方法を模索して、現実のウララの無念を晴らしたいプレイヤーが後を絶たない。そして、ついにウララを使って有馬記念の1着を取って、ウララの運命を変えたプレイヤーが現れた。このプレイヤーの成し遂げた偉業は、ウマ娘のプレイヤー達を奮い立たせた。

このようなウマ娘の独特なストーリーや物語を、育成する過程でプレイヤーが少しずつ分かっていき、絆を築き、感情的な共感を得って現実の競馬文化にも関心を持つようになった。

『ウマ娘』の人気が高まるにつれ、沢山のファンの競走馬への愛情は、現実の引退した競走馬を救う事にも繋がっている。大きなレースで大賞を取った馬でも、音もなく消えてしまう事もあり、その運命は完全に人間の手に委ねられている。だが『ウマ娘』のヒットに伴い、ファンが引退した競走馬に興味を持ち、引退した競走馬の世話をしている団体への支援や寄付に名乗りを上げてくれた事で、このIPの存在意義を更に広げていた。

今回の『ウマ娘 プリティーダービー』の中国大陸版のリリース発表は、中国のプレイヤー達を喜ばせていた。本作はTapTapでの評価が9.4点の高点数に達し、プレイした殆どのプレイヤーからは、ゲーム性、奥深さ、ビジュアル面などが高く評価されている。しかし一部のプレイヤーからは、遊び方はどのウマ娘も大して変わらなくやや単調で、オートプレイ機能も実装されてないから長時間のプレイはかなり疲れるとの声も聞かれた。しかも重課金者向けで、新しいカードが頻繁に更新されていて、課金しないプレイヤーと重課金者の差がどんどん広がっていく。

最初にリリースされた日本版には中国語がありませんが、それでも多くの中国プレイヤーがプレイして、大きな注目を集めている。中国のプレイヤーコミュニティのNGAソーシャルコミュニティでは、本作がずっと話題になっていて、沢山の攻略と心得を作り出されていて、大きなウマ娘ブームを巻き起こした。

 

日本のプレイヤーでさえも、中国のプレイヤーが研究した攻略やステータスの分析に感心し、NGAを「情報の宝庫」と呼んでいる。

しかし、中国では競馬の文化が乏しく、比較的に盛んな香港、広東地域を除いては、殆どの地域では人気がないというのは現状だ。そのため本作の中国版では、この題材に対してのユーザー層がかなり狭くなる事は予想され、日本本土での題材がもたらすアドバンテージが完全に消えてしまう。また中国の版号審査も問題となり、同じくCygamesが開発した『プリンセスコネクト!Re:Dive』も、中国大陸版がリリースされる事が発表されてから2年後になってようやく版号を手に入れ、中国のプレイヤーがやっと遊べるようになるという前例がある。現在、版号の審査速度が上がっているとはいえ、短期間で終わるものではなく、いつ審査を終えるかはまだ未知数だ。

中国のスマホゲーム市場は既に成熟しており、ユーザーのゲームクオリティに対する要求はますます高まっていて、日本のスマホゲームが中国市場に参入する場合、『ウマ娘 プリティーダービー』のような馴染みのない題材とより洗練されたカテゴリーは、挑戦であると同時にチャンスでもある。現在、中国の二次元スマホゲームユーザーは比較的に安定した状態にあり、ユーザーの増加率が低くなり、新規ユーザーは徐々に減少している。二次元スマホゲーム市場がもたらすトラフィックボーナスも殆ど無くなり、安定したあんまり変動が無い市場となっている。

しかしテンセントゲームス学院のデータによると、複数の二次元ゲームを同時にプレイしているプレイヤーは全体の約65%を占めており、Cygamesが5年間かけて磨き上げた『ウマ娘 プリティーダービー』の高いクオリティとプレイヤーの感情的な共感を得る事により、中国市場においても人気のゲームとなる可能性がある。

『ウマ娘 プリティーダービー』の中国市場における将来の成績は、『原神』の成果を見ればある程度予想できる。二つのゲームは同じオリジナルIPで、コンシューマーゲームの標準で開発されていた事から、『ウマ娘』も『原神』と同じ市場で良い成績を収めると予想される。そして、プレイヤーがゲームを遊びながら、競馬文化への理解を深める事も出来る。

 

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